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これまでミラクルアミノ酸『アルギニン』の素晴らしいアンチエイジング効果、老化病・生活習慣病予防・改善効果について述べてきましたが、いくら素晴らしい成分であったとしても、摂取に際して問題点があった場合、その効果が十分に示されなかったり、あるいは効果が全く示されなかったり、逆に健康障害を引き起こす可能性があります。 ◎アルギニンの分野は日進月歩であり、近年、アルギニンを摂取するに際して、多くの問題点が指摘されるようになってきました。そのため、アルギニンが十分働くためには、これらの問題点を解決することは必須のこととなります。また、これらの問題点を解決したアルギニンサプリメントを選ぶことが、アルギニンの働きを十分享受するために必須のこととなります。 ◎アルギニンは、短期間の摂取で、様々な老化や老化病や体の異常(肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、糖尿病合併症、動脈硬化、心血管病、ED、高血圧症、心不全、認知症、感染症、骨粗鬆症、痔、がん、不妊症、消化性潰瘍、肝障害、子供の低身長など)などに素晴らしい働きを示すことは多くの医学文献等によって明らかです。しかしながら、働きを示すといっても、1日量として2gから50g程度までと、かなりの大量摂取が必要です(多くは1日量として3~9gの範囲にあります。但し、種々の文献等から判断しますと、1日2g程度より少ない摂取量ではアルギニンの働きはあまり期待できないものと考えられます)。また、最初働きが示されたとしても、摂取し続けると働きが次第に弱くなり、3ヶ月程度で働きが消失したり、生成した活性酸素でかえって健康障害や病気の悪化が生じることも近年多くの文献で報告されてきています(図)。 ◎これらの重大な問題点の理由として、近年の文献によれば、次の理由が示されています。 ①アルギニンは、腸(のアルギナーゼ)によって分解され、摂取した量の2~5割しか体に利用されません。また、持続性が短いです(5~6時間程度)。そのため、大量(1日2g以上。通常1日量として3~9g)で頻回(1日4回程度)の摂取が必要です。 ②老化、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、循環器病(動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病性血管障害、心不全、肺動脈高血圧症、末梢血管障害、EDなど)、喘息、肝障害、妊娠高血圧症候群、感染症、がんなどにおいて、あるいは長期間の摂取(例えば3ヶ月程度以上など)や大量摂取(例えば1日3g程度以上など)などにおいて、全身のアルギナーゼ活性が上昇することが知られており、そのような時、アルギナーゼによってアルギニンが分解されるため、アルギニン不足により、アルギニンの働きが弱くなったり、消失したり、アルギニン不足によって生成した活性酸素でかえって健康障害や病気の悪化を引き起こしたりします。 ③アルギニンの最も重要な作用として、アルギニンがNOS(一酸化窒素合成酵素)の働きによって変化を受け生成するNO(一酸化窒素)による働きがありますが、NOSは活性酸素の影響を受けやすく、酸化ストレス(活性酸素)が亢進しているとき〔食べ過ぎ、運動不足、ストレス、喫煙などのライフスタイルの乱れ、あるいは老化や老化病(例えば、肥満、メタボリックシンドローム、高血糖、高血圧、脂質代謝異常、糖尿病、加齢黄斑変性症、動脈硬化、心筋梗塞、免疫異常、アルツハイマー病、がんなど)、パーキンソン病、喘息、関節リウマチ、腎炎などにおいて〕、活性酸素によってNOSの働きは阻害され、NOSはNOを生成せずに活性酸素(スーパーオキシド)を生成します。その結果、アルギニン(NOを介した)の働きが弱くなったり、消失したり、生成した活性酸素でかえって健康障害や病気の悪化を引き起こしたりします ◎従って、これらのアルギニンの問題点を解決するには、アルギナーゼを阻害し、活性酸素を消去する必要があります。実際、アルギニンに、アルギナーゼ阻害剤のシトルリン(アルギニン:シトルリンは1:1の比率で)と、活性酸素を消去する抗酸化剤(ビタミンC、ビタミンEなど)を加えることで、アルギニンに比較し、超強力(6~8倍程度、あるいはそれ以上)で持続性が長く(2倍程度)、長期間(例えば3ヶ月程度以上)の摂取でも働きが十分に示されることが期待できることが分かりました(図)。 ◎つまり、最新の文献やデータに基づいた、アルギニンの働きが最高に期待できるための、最新の進化型・次世代型アルギニンサプリメントは、アルギニンに加え、アルギナーゼ阻害剤〔シトルリン(アルギニン:シトルリンは1:1の比率が望ましい)(シトルリンは1日1000mg程度あるいはそれ以上が望ましい)など〕と抗酸化剤〔ビタミンC(1日100mg程度が望ましい)、ビタミンE(1日100mgを超えないのが望ましい)など〕を配合していることが必須条件となります。 なお、アルギニンに対しシトルリンを1:1で配合することで、アルギニンの血中濃度や働きは数倍(例えば3~4倍)に増強されることが最新の医学文献等で明らかにされています(これは、シトルリンによってアルギナーゼが阻害されたためにアルギニンの分解が抑えられたことによると考えられています)。また、種々の医学文献やデータ等から、アルギナーゼを十分阻害するには、シトルリンの摂取量は1日1000mg程度は必要と考えられます。 また、抗酸化剤(ビタミンCなど)をアルギニンと一緒に摂取することで、アルギニンの働きは2倍程度に強くなることが医学文献等で明らかになっています(図)。ビタミンCの摂取量は、NOS活性化作用、抗酸化作用、心血管病やがんなどによる死亡率最大低下作用などから、1日100mg程度で十分であることが多くの文献などで明らかにされています(厚生労働省によるビタミンCの摂取推奨量も同じ1日100mgです)。そのため、これ以上ビタミンCの摂取量を増やすことは無駄であり(体に利用されずにほとんどが尿から排泄されてしまいます)、かえって体に負担をかける可能性があります。ビタミンEは、”1日に150IU(100mg)を超えた量を摂取すると死亡率が増える”と報告されていますので、1日の最大量は100mg以内に抑えたほうが賢明です。 つまり、アルギナーゼ阻害剤のシトルリンは、単に配合されていればいいのではなく、アルギニンとの配合比や摂取量が重要であると考えられます。少なすぎても、配合比が極端であっても働きはあまり期待できないと考えられます。ビタミンCでは摂取量が多すぎても尿中に排泄されるだけで、無駄であり、かえって体に負担をかける可能性があります。ビタミンEは、1日100mgを超える摂取は死亡率を高める可能性があります。 なお、アルギニンにシトルリンとビタミンC(とビタミンE)を適正に配合した場合、短期間(例えば~3ヶ月程度以内)の摂取においては、そのアルギニン1000mgは、アルギニンのみの場合のアルギニン6000~8000mg程度あるいはそれ以上に相当すると考えられます。一方、長期間(例えば~3ヶ月程度以上)の摂取においてはそれ以上に相当すると考えられます。すなわち、摂取期間が長くなればなるほどその差は開いてくると考えられます。その理由は摂取期間が長くなればなるほど、アルギニンによってアルギナーゼが活性化され、摂取したアルギニンが分解されるためです(図)。 アルギニンに、アルギナーゼ阻害剤(特にシトルリン)および抗酸化剤(特にビタミンC)が適正に配合されていないアルギニンサプリメントは、大量(アルギニンとして1日2g以上。通常3~9g)で頻回(1日4回程度)の摂取が必要です(腸や全身のアルギナーゼによるアルギニンの分解や活性酸素によるNOS活性の低下などのため)。また、これで短期間は働きが出るとしても、長く摂取していると徐々に働きは弱くなっていき、3ヶ月程度で働きは消失したり、生成した活性酸素でかえって健康障害や病気の悪化が出たりします(全身のアルギナーゼ活性上昇によるアルギニンの不足や、活性酸素の増加によるNO生成の低下や分解、あるいは活性酸素そのものによる障害が原因と考えられます)。そのため、このようなアルギニンサプリメントはとてもおすすめできません。 表にアルギニンサプリメントの比較を示しましたが、アルギニン+シトルリン(アルギニン:シトルリン=1:1)+抗酸化剤(ビタミンCなど)は現在最強・最高のアルギニンサプリメントと考えられます。 (「アルギニンの問題点と望ましいサプリメント」については、「アルギニンの欠点を克服し、超強力・超持続を目指した、進化型「スーパーアルギニンサプリメント」の開発の試み=長寿、健康長寿、若返り、老化・老化病抑制も夢ではない、究極のスーパーアンチエイジングサプリの創製を目指して=〚詳細編〛または〚概要編〛もご参照ください)。 図.アルギニンの働きの強さの比較(イメージ) 表.アルギニンサプリメント※の比較
a)主成分としてアルギニンのみを含みサプリメント。 b)主成分としてシトルリンのみを含むサプリメント。 c)主成分としてアルギニンとシトルリン(1:0.8~1で)を含むサプリメント。 d)主成分としてアルギニンと抗酸化剤(ビタミンC、ビタミンEなど)を含むサプリメント。 e)主成分としてアルギニンとシトルリン(1:0.8~1で)と抗酸化剤(ビタミンC、ビタミンEなど)を含むサプリメント。 ---------------------- 1)サプリメントの主成分 2)経口摂取後のアルギニンの血中濃度がピークに達するまでの時間やアルギニンの働きが出現する時間。時間が短いほどアルギニンの働きが早く出現します。 3)短期間(例えば3ヶ月程度まで)摂取(経口)した時のアルギニンの血中濃度が高いか低いか、あるいはアルギニンの働きが強いか弱いか。 4)経口摂取後のアルギニンの血中濃度の持続性。持続性が長いほどアルギニンの働きは長く持続し、1日の摂取回数も少なくて済みます。 5)長期間(例えば3ヶ月程度以上)継続摂取(経口)した時のアルギニンの働き。アルギニンの働きを長期間(例えば3ヶ月程度以上)示す必要がある場合(長寿や健康長寿、老化や老化病の予防・改善、子供の身長をのばすなどのために長期間摂取し続けたい場合)、長期間摂取し続けてもアルギニンの働きが弱くなったり消失しないことは極めて重要です。 6)アルギナーゼ(消化管や全身の)活性に対し成分がどういう影響を示すか。アルギナーゼ活性が活性化されるとアルギニンが分解されアルギニンが不足するために、アルギニンの働きが低下したり、働きが消失したり、アルギニンの不足によって生成した活性酸素(スーパーオキシド)によってかえって健康障害が生じます。アルギナーゼ活性が抑制されるとアルギニンの分解が抑えられるために、アルギニンの働きが維持されたり、働きが高まります。特に、アルギニンを長期間(例えば3ヶ月程度以上)摂取し続けたり、大量に摂取(例えば1日3g程度以上など)したり、老化や老化病などの時、アルギナーゼ活性が高まることが知られていますので、このような場合アルギニンの働きを十分にそして長期間維持するためにはアルギナーゼ活性を抑制することは極めて重要です。 7)活性酸素によるNOS(一酸化窒素合成酵素)の働きの低下は、NOSが働くのに必須の補因子テトラヒドロビオプテリン(BH4)の活性酸素による酸化分解が原因です。ビタミンCなどの抗酸化剤は、活性酸素によるBH4の分解を防いでNOSの働きを活性化します。 ---------------------- ※1:腸や全身のアルギナーゼでアルギニンの一部が分解されるためと考えられる。 ※2:アルギニンの長期継続摂取によってアルギナーゼが活性化されるため、摂取したアルギニンがほとんど分解されるためと考えられる。 ※3:シトルリンの一部が体内で徐々にアルギニンに変わるため。 ※4:期待される働き。 ※5:最新の医学文献やデータから、アルギニンとシトルリンの比率は1:0.8~1が望ましい(相乗効果や働きの試験から)、シトルリンは1日1000mg程度あるいはそれ以上が望ましい(アルギナーゼ阻害作用を指標として)、ビタミンCは1日100mg程度が望ましい(活性酸素によって低下したNOSの働きをほぼ最大~最大に活性化するために必要と考えられる摂取量、種々の原因による死亡率を最大抑制する摂取量、厚生労働省によるビタミンCの1日摂取推奨量などから)、ビタミンEは~100mgが望ましい〔最新医学データ(メタアナリシスの結果)からの最大安全量などから〕。 ※6:シトルリンによるアルギナーゼ活性阻害により、アルギニンの分解が抑えられるためと考えられる。 ※7:抗酸化剤:ビタミンC、ビタミンEなど ※8:抗酸化剤によるNOSの活性化によると考えられる。 ※9:シトルリンによるアルギナーゼ活性阻害と抗酸化剤によるNOSの活性化によると考えられる。 ※10:種々のアルギニンサプリメントの中で最強の働きを示すと考えられる。
2)アルギニンとオルニチンやシトルリンとの関係 ”アルギニンは体の中でアルギナーゼという酵素の働きでその一部がオルニチンに変化します。さらにオルニチンはシトルリンに変化します。また、オルニチンとシトルリンは体の中で尿素回路というところでその一部はアルギニンに変化します” ”オルニチンやシトルリンの働きのほとんどはアルギニンの働きの一部であり、そのため、オルニチンやシトルリンの働きはオルニチンやシトルリンが体の中でアルギニンに変化して示されると考えられます” ”オルニチンやシトルリンの働きの強さはアルギニンより弱いか、アルギニンを上回ることは無いと考えられます” ”一方、シトルリンには、アルギニンの分解を抑え(アルギニンを分解するアルギナーゼを阻害して)、アルギニンの働きを高める効果があることが分かりましたので、アルギニンとシトルリンを配合したサプリメントが最近大変注目されています。 (1)アルギニンとオルニチンやシトルリンの関係 図.アルギニンとオルニチンやシトルリンの関係
アルギニンはタンパク質の原料としてタンパク質の合成に欠かせないアミノ酸です。また、一酸化窒素合成酵素(NOS)という酵素の働きでアルギニンは一酸化窒素(NO)というものに変化し、いろいろな大変重要な働きをします(つまりNOを生成できるのはアルギニンだけです)(オルニチンやシトルリンは直接にはNOを生成できません。オルニチンやシトルリンはアルギニンに変化して初めてNOを生成します)。一方、アルギニンはアルギナーゼという酵素の働きでオルニチンと尿素に変化します。さらにオルニチンはシトルリンに変化します。オルニチンやシトルリンはまた尿素回路というところでその一部はアルギニンに変化します。そのため、オルニチンやシトルリンを摂取するとその一部はアルギニンに変化しアルギニンの働きを示すと考えられます。すなわちオルニチンやシトルリンの働きの多くはオルニチンやシトルリンがアルギニンに変化して起こるものと考えられます。 一方、最近の研究により、アルギニンは体の中(腸や全身)にあるアルギナーゼで分解されることが分かり、アルギナーゼ活性が高い場合〔老化、老化病(メタボリックシンドローム、糖尿病、糖尿病性血管障害、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、心不全、末梢血管障害、EDなど)、肺動脈高血圧症、喘息、肝障害、妊娠高血圧症候群、感染症、がんなどにおいて、あるいは長期間の摂取(例えば3ヶ月程度以上など)や大量摂取(例えば1日3g程度以上など)などにおいて〕、アルギニンは分解され、働きが弱くなったり、働きを示さなくなったりすることが報告されました。シトルリンはアルギナーゼを阻害することが見出され、アルギニンと共にシトルリンを投与することにより、シトルリンのアルギナーゼ阻害作用によってアルギニンの分解が抑えられ、アルギニンの働きは高まることが分かりました。そのため、アルギニンにシトルリンを配合したサプリメントが大変注目されています。 (これについて詳しくは、「アルギニンの欠点を克服し、超強力・超持続を目指した、進化型「スーパーアルギニンサプリメント」の開発の試み=長寿、健康長寿、若返り、老化・老化病抑制も夢ではない、究極のスーパーアンチエイジングサプリの創製を目指して=〚詳細編〛または〚概要編〛をご参照ください)。 (2)アルギニンとオルニチンの効果の強さの比較 オルニチンの働きの多くはオルニチンの一部が体の中でアルギニンに変化して生じると考えられるため(つまりアルギニンになって働く)、オルニチンの働きの強さはアルギニンより弱いか、アルギニンを上回ることは無いと考えられます。 例えば、成長ホルモンの分泌を十分促進するためにはオルニチンを平均13g摂取する必要があると報告されています(但しオルニチンをこの量摂取すると多くの消化管の副作用が出ると報告されています)(Bucciら、Nutr. Res. 1990; 10: 239-245)。一方、アルギニンでは4g(子供)、あるいは5~9g(大人)を摂取すると成長ホルモンの十分な分泌促進があると報告されています(このアルギニンの摂取量では消化管の副作用は特に報告されていません)(J. Endocrinol. Invest., 1993; 16: 521-525:J. Endocrinol. Invest., 1994; 17: 113-117:J. Lab. Clin. Med., 2000; 135: 231-237:Growth Horm. IGF Res., 2005; 15: 136-139)。このようにオルニチンの成長ホルモン分泌促進効果の強さは、アルギニンより弱いか、アルギニンを上回ることは無いと考えられます。
3)【注目情報】運動しなくてもしたことにしてくれる夢のサプリメント:ミラクルアミノ酸『アルギニン』! さらに、『運動+アルギニン』で健康効果も数倍増! 運動不足は食べ過ぎと並んで生活習慣病の最大原因の一つです。運動不足が原因となる異常や病気には、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化、動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中、閉塞性動脈硬化症、EDなど)、骨粗鬆症、がんなどが知られています。また、運動不足の人は死亡率が高い(寿命が短い)ことも知られています。一方、適度な運動によってこれらの異常や病気が予防・改善されたり、死亡率が低下(27%低下)(寿命が延びる)することも知られています。 運動によって以下の効果が期待されます。 ①エネルギーの消費を促進する(脂肪の燃焼を促進する)⇒肥満や高脂血症の予防・改善 ②筋肉を増やし基礎代謝とエネルギー消費を高める⇒肥満や高脂血症の予防・改善 ③インシュリンの働きを高め血糖値を下げる⇒糖尿病の予防・改善 ④血管で一酸化窒素の産生を高め、血管を拡張する⇒高血圧の予防・改善 ⑤血管で一酸化窒素の産生を高め、血管を柔らかくし、また、血管を若返らせる⇒動脈硬化、動脈硬化性疾患の予防・改善 ⑥骨を丈夫にする⇒骨粗鬆症の予防・改善 ⑦免疫力を高める⇒がん、感染症の予防・改善 ⑧動脈硬化性疾患やがんを予防・改善することで死亡率が低下し寿命が延びる。 しかし、車や交通機関が発達した現代ではなかなか運動する機会も少なく、また、運動が嫌いな人も増えており、肥満や生活習慣病の増加や低年齢化が急速に進んでいます。そこで運動しなくても運動したことにしてくれる薬やサプリメントがあったら嬉しいですね!! 最新の医学的研究によってそういう便利なものがあることが明らかにされてきました。それはアミノ酸の一種の『アルギニン』です。 『アルギニン』はこれまでの研究によって次のような働きがあることが明らかにされてきました。 ①成長ホルモンを分泌させ、筋肉を増やしたり、脂肪の燃焼を促進する⇒肥満や高脂血症の予防・改善 ②インシュリンを増やし、インシュリンの働きを高め、血糖値を下げる⇒糖尿病の予防・改善 ③血管で一酸化窒素の産生を高め、血管を拡張する⇒高血圧の予防・改善 ④血管で一酸化窒素の産生を高め、血管を柔らかくし、血管を若返らせる⇒動脈硬化、動脈硬化性疾患、糖尿病合併症の予防・改善 ⑤骨を丈夫にする⇒骨粗鬆症の予防・改善 ⑥免疫力を高める⇒感染症、がんの予防・改善 ⑦がんなどの発生を少なくし死亡率を低下させ寿命を延ばす まさに『アルギニン』の健康効果は運動の健康効果にそっくりですね!そこでアルギニンを摂取すれば運動をしなくても運動したと同様な健康効果が期待できることになります。 このように、運動が嫌いな方には『アルギニン』をお勧めします。 さらに運動が好きな人にはもっと嬉しいデータがあります。運動するときに『アルギニン』を摂取すると、肥満や生活習慣病を防いだり改善する効果が、運動だけの場合に比べ数倍高くなるという結果が出ています。例えば、運動の際に『アルギニン』を摂取すると、運動だけの場合に比べ筋肉の量が数倍増えるというデータがあります。また、動脈硬化に対しては、運動+アルギニン(+ビタミンC+ビタミンE)のとき、運動だけに比べ動脈硬化を防ぐ効果が約2倍高くなりました。(アルギニンから生成する一酸化窒素は活性酸素によって壊れやすいので、活性酸素を消去する抗酸化剤を一緒に飲むほうが望ましいことから、アルギニン+ビタミンC+ビタミンEが試験には用いられました)。 ★運動が嫌いな人も、運動が好きな人も、肥満や生活習慣病の予防・改善に『アルギニン』! 4)アルギニンの吸収および体内での運命 ●アルギニンはどのようにして吸収されるのだろう? 食事によって食べられたタンパク質は、胃や腸で消化酵素によって分解されて、小さなペプチド(アミノ酸が数個結合した化合物)やアミノ酸になり、小腸から体内に吸収されます。一方、小さなペプチドやアミノ酸は食べられるとそのまま小腸から吸収されます。吸収されたペプチドは速やかにアミノ酸にまで分解されます。タンパク質やペプチドの成分として摂られたアルギニンや、アルギニン(アミノ酸)そのものも同様な過程を経て体内に吸収されます。 アルギニンはタンパク質の成分として化学結合した形でタンパク質に含まれていますが、タンパク質を食べたとき、あるいはアルギニンをアミノ酸として摂取したとき、アルギニンがどのように消化吸収されるかを検討した試験があります。高コレステロール血症患者(12人)に食事(通常の病院食)をさせ、その後のアルギニンの血液中の濃度(アルギニンが体内に吸収されたかどうかを判定するために用います)の変化を調べますと、食事してから2~4時間後にアルギニンの血液中の濃度は最大値を示しました。これは、食物中のタンパク質が消化分解されてアルギニンが生成し、それが体内に吸収され、吸収がピークに達するまでに2~4時間かかったということを示しています。 次いで、患者10人に、アルギニン5gまたは7gを1日3回12週間経口投与しました(1日15gまたは21g)。その結果、アルギニンを経口投与した場合、約1時間後に血液中の濃度の最大値がみられ、食事(タンパク質)としてとるよりもアルギニン(アミノ酸)としてとるほうが吸収が早いことが明らかとなりました。また、試験期間の12週間の間、アルギニンの吸収性は良く、吸収はほぼ一定していました。経口投与によるアルギニンの生物学的利用率(バイオアベイラビリティ-ともいいます。薬物などを経口投与したときの生体内で利用可能な量を示したものです)は、0.37~0.52(同量のアルギニンを静脈内投与したときを1とします)でしたので、経口的に摂取したアルギニンのほぼ半分が生体に利用されたということを示しています。副作用は、1日21gを投与した患者5人のうち2人に軽い胃腸障害がみられたので、1日15gに投与量を減らして投与を継続しました。他に特に問題となる副作用はありませんでした。このようにアルギニンは、経口投与によって速やかに吸収されますが、生体での利用率は高くなく4~5割でした。つまり摂取されたアルギニンの5~6割は体に利用される前に分解されることが分かりました。 なお、アルギニンの3~6ヶ月以上の継続的な摂取によって、アルギニンの血中濃度の低下が起こることが報告されています。これはアルギニンの長期摂取によってアルギナーゼが活性化され、アルギナーゼによってアルギニンが分解されたためと考えられています。(これについて詳しくは、「アルギニンの欠点を克服し、超強力・超持続を目指した、進化型「スーパーアルギニンサプリメント」の開発の試み=長寿、健康長寿、若返り、老化・老化病抑制も夢ではない、究極のスーパーアンチエイジングサプリの創製を目指して=〚詳細編〛または〚概要編〛をご参照ください)。 ●アルギニンは吸収されたらどのような運命をたどるのだろうか? アルギニンが効果を示すためには、摂取されたアルギニンが腸から吸収され、目的の組織に十分量到達し存在し続ける必要があります。アルギニンは、経口投与されますと小腸の特定のキャリアー(アルギニンを小腸から血液中に輸送するもの)によって吸収され、血液に乗って肝臓に運ばれます。肝臓では一部が代謝(分解)され、残りはさらに血液に乗って全身の組織に分布し利用されます。 アルギニンは、動物(豚、ラットなど)において経口投与時の生物学的利用率(バイオアベイラビリティ-ともいいます。薬物などの物質を経口投与したときの生体内で利用可能な量を示したものです)は60%前後と報告されています。また、人においてはそれは20~50%と報告されています。つまり、経口的に投与されたアルギニンの4~8割(動物では4割、人では5~8割)は腸や肝臓で代謝(分解)され、実際体で利用されるのは2~6割(動物では6割、人では2~5割)に過ぎないことになります。ではこの代謝(分解)はどうして起こるのでしょうか。この主な理由は腸におけるアルギナーゼと考えられています。すなわち、腸に存在するアルギナーゼが、吸収の過程においてアルギニンを代謝(分解)するために生物学的利用率が低下します。なお、アルギナーゼは、アルギニンをオルニチンと尿素に代謝(分解)します。オルニチンはさらにポリアミン、プロリンやグルタミン酸に代謝されます アルギニンは生体内で、タンパク質の合成に使われるほか、主に肝臓で尿素回路(アンモニアから尿素を作る経路です)にはいり、アルギナーゼという酵素でオルニチン(アミノ酸の一種)と尿素に分解されます。オルニチンはさらにアンモニア、炭酸ガス、およびアスパラギン酸のアミノ基との生合成反応によってアルギニンを再生します。尿素は尿中に排泄されます。尿素回路はアンモニアの代謝(解毒)の主要な経路となっており、肝臓が悪くなって尿素回路の働きが悪くなると高アンモニア血症となり、昏睡など重篤な症状を引き起こします。一方、アルギニンを多く供給すると尿素回路は活性化されアンモニアの解毒は促進されることになります。 アルギナーゼは、腸や肝臓のほか全身に広く存在しています。最近の研究では、このアルギナーゼが活性化されることで(例えば、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病性血管障害、心不全、肺動脈高血圧症、末梢血管障害、ED、喘息、肝障害、妊娠高血圧症候群、感染症、がん、老化などの病気で、あるいはアルギニンの長期間の摂取によってもアルギナーゼ活性の上昇が見られることが報告されています)、アルギニンが分解されてアルギニン不足が生じ、アルギニンの働きが低下したり消失したり、アルギニン不足で生じた活性酸素でかえって健康障害を起こしたり病気を悪化させることが明らかにされてきています。そのため、アルギナーゼを如何にコントロールするかがアルギニンの効果を十分に発揮させるために極めて重要になってきています。(これについて詳しくは、「アルギニンの欠点を克服し、超強力・超持続を目指した、進化型「スーパーアルギニンサプリメント」の開発の試み=長寿、健康長寿、若返り、老化・老化病抑制も夢ではない、究極のスーパーアンチエイジングサプリの創製を目指して=〚詳細編〛または〚概要編〛をご参照ください)。 一方、皮膚では、アルギニンはその一部がアルギナーゼによって尿素とオルニチンに分解されます。尿素は、皮膚では自然保湿成分(NMF)の一つとして皮膚の水分を保持し、皮膚に潤いとつやを与え、肌が乾燥してかさかさになったり、荒れたりするのを防ぎます。アルギニンそのものも自然保湿成分(NMF)として、あるいはコラーゲンの老化を抑え、コラーゲンを若返らせて、尿素と一緒になって美肌をつくります。 アルギニンはまた、組織や細胞の一酸化窒素合成酵素(NOS)という酵素によって一酸化窒素(NO)になり、体の機能を維持するためさまざまな重要な働きを示します。さらに、成長ホルモンやインスリンの分泌を促進したり、インスリンの働きを高めたり、糖化を抑制したり、免疫力を高めたり、鎮痛作用を示すなど様々な働きを示します。(「2.アルギニンの働き」をご参照下さい) 5)ペットの老化および老化病・生活習慣病はアルギニンで予防改善 アルギニンは犬や猫などのペットの老化、老化病、生活習慣病の予防や改善にも大変効果的です。ペットが高齢になって元気がなくなった、太りすぎて糖尿病になった、心臓が悪くなった、痴呆気味になってきた、歩くのがつらそうだ、神経痛で痛そうだ、腎臓が悪くなったなどペットの老化や老化病でお悩みの方、ぜひアルギニンをお試し下さい。 【僕、チャッピーの若返り日記】(2003年7月記) 僕の名前はチャッピー。シーズーのオスです。いま10歳です。このごろ年のせいか、あちこちにガタがきています。去年の11月には後ろ足が痛くて歩けなくなりました。獣医さんに診てもらったところ「坐骨神経痛」といわれました。痛み止めを飲みましたがあまり効きません。そのうちに、今年の1月になって、胸が突然苦しくなりました。息ができなくてゼイゼイいいます。お医者さんに診てもらったところ、心臓が悪くて、肺に水がたまっているそうです。私には良く分かりませんが医学用語では、「心不全」による「心臓喘息」だそうです。そして大変ショックなことには、「チャッピー君の心臓は大変弱っていて明日にも止まるかもしれない」といわれました。僕は目の前が真っ暗になりました。そこでわらにもすがるおもいで、お医者さんからもらった心臓のお薬を飲みましたが、少し楽になる程度で、ゼイゼイは止まりません。 僕のご主人は、僕を見てあまり長くはないなとぽつりと言いました。僕の家族も覚悟を決めたようです。僕のご主人は僕にアンチエイジング療法を試してみることにしました。僕はアルギニンを1.1g(体重1kg当たり約0.2gのアルギニン)溶かしてある水を毎日飲まされました。最初はいつも飲む水道水の味とちょっと違うのでとまどいましたが、ちょっとなめてみると少し甘かったので美味しく飲めました。アルギニンの入っている水を飲み始めるとなんだか元気になって若返ったような気がしてきました。ゼイゼイのほうもあまりしなくなり、呼吸もずいぶん楽になってきました。どんよりとしていた目も明るく生き生きとしてきました。体のほうもどんどん丈夫になって散歩も普通にできるようになりました。足の痛みもずいぶん楽になって痛み止めは飲まなくてもよくなりました。お医者さんからもらった心臓の薬ももう飲んでいません。今では、明日をも知れない命といわれたのが嘘のように、毎日元気に暮らしています。(写真は2003年3月31日撮影) ○チャッピー君の近況報告(2005年1月13日) 僕チャッピーは大変元気です。アルギニンのおかげで病気知らずです。若返って毎日元気ハツラツです。いたずらが大好きで叱られてばかりいます。ちょっぴり反省しています。 ★お知らせ: 当家の家族の一員チャッピーは、散歩の途中で前方不注意運転の車にはねられ永眠いたしました。 皆様にはこれまで可愛がっていただき誠に有難うございました。 6.その他(トピックス、ホームページ責任者、参考図書) 【トピックス】
【本の概要】
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【ホームページ責任者】 古賀 弘 Eメール:kogahrs555@nifty.com 健康コンサルタント 薬学博士(東京大学) 日本抗加齢医学会正会員 (有)ジェイエヌピー研究所 (ホームページ:http://jnp-lab.com/) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【参考図書】 アルギニンについてもっとお知りになりたい方には次の本(拙著)をお薦めします。本書は本邦最初で唯一の一般向けアルギニン参考書です。 本書のご購入ご希望の方はインターネット書店(Amazon.co.jpまたは紀伊国屋書店)または全国の書店でお買い求め下さい。 『超アミノ酸健康革命-21世紀のサプリメント「アルギニン」のすべて』(古賀 弘著、今日の話題社、1,575円(税込))
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