１．薄毛や脱毛はどうして起るのでしょうか？

●髪の毛の基礎知識

　　私たちの髪の毛は一人当たり約１０万本あるといわれていますが、正常な人でも平均１日８０〜１００本の毛が抜け落ちています。一方、毎日１００本くらいの毛が新たに伸びてきますので、髪の毛の成長が正常であれば髪の毛が薄くなることはありません。

　　髪の毛１本１本には寿命があり、成長、脱毛、新生を繰り返しています。これを毛周期（ヘアサイクル）といいます。毛を作る細胞（毛母細胞）の働きが活発な毛は５〜６年かけて成長し（成長期）、ついで成長が止まる退行期（２〜３週間）、完全に成長が止まる休止期（２〜３ヶ月）、脱毛というサイクルをほぼ規則正しく繰り返します。

　　毛母細胞の働きが悪くなると、成長期が短くなり、十分成長しないまま休止期に入るため、毛は細く短くなり、髪が薄くなったり、抜けたように見えます。これが、薄毛や脱毛と呼ばれるものです。さらに毛母細胞の働きが低下すると、もはや発毛しなくなります。


●薄毛や脱毛のチェック方法

　　１日に抜ける髪の毛の半分はシャンプーの時と言われていますが、その数が４０本以上だと異常を示すサインだそうです。また、手ぐしチェックといって、頭全体に片手で手ぐしを１０回通した時に抜ける髪の毛が０〜４本が青信号、５〜９本が黄信号、１０本以上が赤信号だそうです。これらの方法は自分の髪の抜け具合を簡単に知るのに良い方法ですので、一度自分の髪の毛を調べてみてください。


●薄毛や脱毛の原因

　　昔は薄毛や脱毛は中高年以上というイメージだったのですが、最近は若い人でも薄毛や脱毛で悩んでいる方が増えています。

　　脱毛は色んな原因で起こります。脱毛の主な原因として、男性ホルモンの過剰、血流低下による栄養不足、成長ホルモンの不足、ケラチンの原料不足（システインの不足など）などが考えられます。

　　男性ホルモンは、髪の毛の成長を抑えるため、男性ホルモンが過剰の男性、あるいは毛母細胞が男性ホルモンに過敏な場合脱毛が促進されます。これを男性型脱毛といいます。男性型脱毛は、前頭部または頭頂部からはじまり、加齢と共に進行します。この場合、毛の本数そのものは変わらないが、毛が細く短くなっていく（うぶ毛化）そうです。つまり、ヘアサイクルの生長期が短くなり、髪の毛が太くなる前に成長が止まってしまいます。男性ホルモンは毛母細胞（毛皮）に働き、成長期を短くし、退行期への移行を早めます。（資生堂の研究結果）

　　一方、近年、女性の薄毛に対する関心が高まっていますが、女性の場合は髪の毛の本数が少なくなることが薄毛化を招くことが示されています。つまり、休止期が長くなることによって成長期にある髪の毛の数が少なくなることが分かりました（資生堂の研究結果）。

　　髪の毛の成長は、毛母細胞（毛包）という髪の毛を作っている細胞の分裂を成長ホルモンが促進させて起ると考えられています。ところが成長ホルモンは２０代以降でどんどん減少します。また、寝不足も成長ホルモンの分泌を減少させます。成長ホルモンの不足で髪の毛は伸びなくなり、髪は薄毛や脱毛に傾いていくと考えられます。このような時成長ホルモンを補充すると毛の成長が促進され、毛が生えて来ることが期待できます。つまり、成長ホルモンは髪の毛を伸ばし、男性ホルモンは髪の毛の成長を阻害すると考えられます。

　　髪の毛は、ケラチンと呼ばれる硬いタンパク質でできています。ケラチンにはシステインという硫黄を含むアミノ酸が２０％近くも含まれています。このシステインが髪の毛を丈夫にし、硬くしています。システインは加齢、飲み過ぎ、目の使い過ぎ、活性酸素、ダイエットのし過ぎなどによって不足してくることが知られています。システインが不足すると髪が作られなくなってしまいます。システインの補充は発毛を促進します。

　　髪の毛の成長には栄養成分が必要です。この栄養成分は血液によって運ばれてきます。ところが、ストレス、喫煙、動脈硬化、ドロドロ血などで血液は流れにくくなり十分に栄養を運ぶことができなくなります。栄養不足になると髪の毛は作られなくなってしまいます。この血流を促進し（血管を拡き動脈硬化を防ぐ）、血液をサラサラにし（血液の凝固を防ぐ）、栄養成分を毛母細胞に供給するのに欠かせないのが生体成分のアルギニン（一酸化窒素）です。

　　こう見てきますと、私たちの生活習慣や加齢そのものが毛の成長には良くないことが分かります。そして、私たちの生活習慣や加齢が発毛に欠かせない成分の成長ホルモン、アルギニン、システインなどの不足を招き、薄毛や脱毛の原因となると考えられます。
　　
　　薄毛や脱毛でお悩みの方、寝不足、ストレス、喫煙、飲み過ぎ、目の使い過ぎ、加齢、活性酸素、ダイエットのし過ぎ、動脈硬化、ドロドロ血などによる成長ホルモンの不足、毛母細胞の栄養不足、髪の毛の原料不足（システインの不足など）ではありませんか？


２．どうすれば髪の毛が生えてくるでしょうか？

１）育毛剤を使う

●男性型脱毛症の治療薬
　　プロペシアが医薬品として使われています。医薬品ですので医師の処方箋が必要です。

●その他の育毛剤
　　頭皮血流の低下を改善して発毛を促進するものとしてはミノキシジル（リアップの成分）や塩化カルプロニウム（カロヤンの成分）などがあります。


２）発毛に必要な栄養成分やホルモンを補充する

●成長ホルモン　　
　　成長ホルモンの注射によって髪の毛が伸びてくることが知られています（ロナルド・クラッツ原著「１０週間であなたは若返る」などを参照下さい）。ところが日本では成長ホルモン（医薬品）は低身長症の子供の治療にしか使えません。そのほかの用途に使うことはできません。また、注射でしかその効果は期待できません（成長ホルモンは高分子のタンパク質なので、飲んだり、口腔内へのスプレーでは効果はほとんど期待できません）。そのため、成長ホルモンの分泌を促進する成分が使われます。

●必須栄養成分アルギニンとシステイン
　　アルギニンは経口摂取によって成長ホルモンを最も確実に、そして強力に分泌する成分です（医療用にも使われています）。アルギニン（４〜８ｇ以上）の摂取で成長ホルモンの分泌が促進されます（アルギニンの成長ホルモン分泌促進作用について詳しくは「アルギニンは成長ホルモンを強力に増やします！」」を参照下さい）。また、アルギニン（一酸化窒素）はストレスや喫煙や動脈硬化などで細くなった血管を拡げ、血液をサラサラにし血液の流れを良くし、栄養成分を毛母細胞に供給するのに欠かせない生体成分です。（アルギニンを摂取する場合の注意点についてはアルギニンサプリメントの正しい選び方』をご覧ください）。

　　システインは髪の毛（ケラチン）の原料となりますので、これを補充することで髪の成長を促進します。

　　アルギニンとシステインは一緒に摂ることで、さらに薄毛や脱毛が改善される事が期待できます。

　　また、アルギニンやシステインは発毛に欠かせない栄養成分なので、他の育毛剤（リアップやカロヤンやプロペシアなど）が効果を発揮する際にはアルギニンとシステインを必要とします。そのためこれらの育毛剤とアルギニンやシステインを併用することで育毛剤の効果をさらに高めることが期待できます。


●アルギニンの使用例
【私（古賀）のケース】
　　私の髪の毛は４０代までは白髪もほとんど無く、ふさふさの黒髪が自慢だったのですが、５０代になると抜け毛や白髪が急に増え額の方から生え際がどんどん後退してきました。シャンプー後には髪の毛がごっそり抜けるという感じで抜け毛の数をかぞえてみますと１日約１００〜１５０本（４０本以上は危険信号だそうです）。このままでは禿げ上がってしまうとものすごくあせりました。この抜け毛や白髪は恐らく老化のせいだろうと考え、アルギニンを１日４ｇ飲みましたところ少しずつ抜け毛の数は減り、ほぼ１年後にはシャンプー後の抜け毛の数は１日５０〜６０本程度まで減少しました。手ぐしチェックでは０〜１本でした。また、驚くことに禿げたところから毛も生えてきました。白髪のほうも増えるのが止まりました。これで一安心です。これは恐らくアルギニンによって毛の成長を司る毛母細胞（毛包）の老化が抑えられたためだろうと考えられます。

その他の体験記は「アルギニンサプリメント体験記集」を参照下さい。