アルギニンは認知症を予防・改善します!
◎アルギニンは認知症を予防・改善します!

◎アルギニンは天然の生体成分(体に必要なアミノ酸)ですので副作用の心配はほとんどありません!


【目次】

1.アルギニンは認知症を予防・改善します!

2.お知らせ(ホームペ−ジ責任者、参考図書)



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上記以外のアルギニンの働きについてお知りになりたい方は
アルギニンで若返る!』をご覧ください。




 1.アルギニンは認知症を予防・改善します!

【認知症とはどういう病気でしょうか】

●認知症とは
  認知症とは、知能のはたらきが低下した状態です。物忘れがひどくなったり記憶力が悪くなったりして、正常な社会生活を営むことが困難になります。認知症とは以前は「痴呆」と呼ばれていたものが「痴呆」は差別的ということで2004年12月より呼び方が変わりました。

●認知症の種類と原因
  認知症には、脳血管性認知症、アルツハイマー病などがあります。
  脳血管性認知症は、動脈硬化や高血圧などが原因でおこった脳梗塞や脳出血によって、知能と関係した脳神経に障害がおこったり神経細胞が死んだりして認知症をきたしたものです。
  アルツハイマー病の原因はまだよくわかっていませんが、アルツハイマー病の患者の脳には、神経原繊維変化とアミロイドプラーク(老人斑)(下記注参照)が多く見られ、実際これらが神経細胞を壊しますので、これらの蓄積がアルツハイマー病の原因ではないかと考えられています。アルツハイマー病にかかった人の脳は、全体的に縮んで、重量も軽くなります。





注:神経原繊維変化とアミロイドプラークとは
  アルツハイマー病の患者の脳には、神経原繊維変化とアミロイドプラーク(老人斑)がみられるのが特徴です。一般に、アミロイドプラークはアルツハイマー病患者の脳には、同年齢の健康な人の5〜10倍あるといわれています。アミロイドプラークは、主にアミロイドβタンパク質が凝集(重合)したものが沈着してできます。神経原繊維変化とアミロイドプラークはアルツハイマー病の原因と考えられ、これらは神経細胞を障害します。これらの神経原繊維変化とアミロイドプラークがどのようにして神経細胞を障害し、アルツハイマー病を引き起こすかについてはまだはっきりしていませんが、最近の研究で、タンパク糖化が重要な役割を果たしているのではないかと考えられるようになってきました。アミロイドβタンパク質の重合は通常は大変ゆっくりとしか進行しませんが、そこにブドウ糖を添加してやると重合速度はかなり速くなります。また、糖化したアミロイドβタンパク質はその重合を飛躍的に促進しました。一方、タンパク糖化抑制剤のアミノグアニジンによってアミロイドβタンパク質の重合は抑制されました。アミロイドβタンパク質による神経細胞の障害は、活性酸素の発生などによっておこると考えられていますが、それは、アミロイドβタンパク質(糖化された)が神経細胞の表面にあるAGE受容体(終末糖化産物に対する受容体)に結合することで起こることが示されました。これらのことから、タンパク糖化抑制剤はアルツハイマー病の発症や進行を抑制する可能性があります。

●認知症の症状
  脳血管性認知症の症状は、見当識障害(時間、場所、人の見当がつかないこと)、知的機能の障害(記憶障害、学習機能の低下など)、性格の変化、被害妄想、嫉妬妄想、暴力、徘徊(はいかい)、幻視などがみられます。
  アルツハイマー病の症状は、初めに記憶障害が現れます。さらに病状が進むと徘徊や迷子になったり、大声をあげたりなどの興奮状態がみられます。重度の段階になると、患者は歩くことも日常生活のどんなこともできなくなり、失禁したりするようになります。

●認知症の診断
  認知症の診断は、知的障害の程度を調べます。長谷川式簡易知能評価スケールがしばしば用いられます。CTスキャン、MRI,脳波、脳の血流検査(PET)などは、認知症が脳血管性かアルツハイマー病かの判断にある程度有用です。

●認知症の治療
  現在の医療技術では死んだ脳神経を再生させることは困難ですので、認知症の治療は、進行を少しでも遅らせるための治療です。認知症患者に対する日常的なケアは、認知症の進行を抑えたり、改善するのに有効なことがあります。
  脳血管性認知症では、もととなった疾患の動脈硬化や高血圧の治療によって、脳梗塞や脳出血の再発や進展を抑えることで、認知症の進行を遅らせたり抑えることがあります。
  アルツハイマー病では、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤としてアリセプト(ドネぺジル塩酸塩)、レミニール(ガランタミン臭化水素酸塩)、イクセロン/リバスタッチ(リバスチグミン)が、NMDA受容体拮抗剤としてメマリー(メマンチン塩酸塩)が、軽度から高度の患者の記憶を一時的に改善することがありますが、あくまでも対症療法薬であり、病気そのものを改善するものではありません。

●認知症の最新治療
  アルギニンは、動脈硬化やその危険因子、あるいは高血圧を予防したり、改善しますので、脳血管性認知症の発症や進行を抑えることが期待できます。また、アルギニンより生成した一酸化窒素は学習能力や記憶力の低下を改善しますので、認知症を改善することが期待できます。実際、アルギニンは脳血管性の認知症を改善しました。

  アルツハイマー病の発病や進展には、脳内の活性酸素の増加が関係しているのではないかといわれています。ビタミンEの大量摂取(ビタミンEを1日2,000IU(1,342mg)摂取)によって、中等度のアルツハイマー病の患者の病気の進行を遅らせることができるといわれています。

  脳内のタンパク糖化物がアルツハイマー病の原因ではないかという注目すべきデータが、「Nature」などの世界最高の科学専門誌に報告されています(タンパク糖化物は活性酸素を発生させ、脳神経を壊します)。タンパク糖化物は糖尿病で増えますので、糖尿病患者では認知症が増えるかどうかは大きな関心事でした。最近の研究では、糖尿病患者に認知症(脳血管性認知症だけでなくアルツハイマー病も)が多いことが明らかにされてきました。また、糖尿病患者では脳の働き(認識機能、記憶力など)が低下することが示されています。糖尿病患者では脳血管障害(脳動脈硬化など)が急速に進みますので、脳血管性認知症が多いことは明らかですが、アルツハイマー病も多いということはタンパク糖化がアルツハイマー病の大きな原因である可能性を示しています。そのため、タンパク糖化を抑制する成分(薬物)がアルツハイマー病を予防・改善する可能性があります。
  アルギニンは、タンパク糖化を強力に抑制しますので、脳血管性の認知症だけでなく、アルツハイマー病にも効く可能性があります。

  このように、アルギニンは、脳血管障害を改善し、脳内の一酸化窒素を増やすことで、脳血管障害による認知症や、老化による認知症を予防・改善することが期待できます。また、そのタンパク糖化抑制作用によって、アルツハイマー病の予防や改善効果を示すことが期待されます。


【認知症のアルギニン療法】
1.認知症に対するアルギニンの効果
〔以下のアルギニンの働きは国際的な一流の医学誌や科学誌に掲載された信頼できるデータに基いたものです。詳しくは拙著『超アミノ酸健康革命−21世紀のサプリメント「アルギニン」のすべて』(古賀 弘著、今日の話題社、1,500円)をご覧下さい〕

●アルギニンは、脳内の一酸化窒素の欠乏によって生じた学習や記憶の障害(老化などで見られると考えられています)を改善し、脳血管性認知症患者の知的機能および一般症状(患者の表情の豊かさや反応など)を改善しましたので、認知症や老化による記憶や学習障害を予防・改善することが期待できます。

●アルギニンは、抗酸化作用およびタンパク糖化の抑制作用を有しますので、アルツハイマー病の発症や進行を抑制することが期待されます。

●このようにアルギニンは認知症の予防改善に効果が期待できますので、認知症を予防したい方、あるいは認知症でお悩みの方にアルギニンをおすすめします。アルギニンは天然成分のため副作用の心配はほとんどないと考えられます。

2.アルギニンの摂取方法

●高齢者で記憶障害が見られる人や、認知症の予防や改善に対し、アルギニンの摂取量は、アルギニンとして1日2〜4g程度の摂取(1日2〜3回に分け摂取)から始めて、その後症状の改善ぐあいをみながら摂取量を調節します。

●アルギニンを摂取する場合の注意点
  これについては『アルギニンサプリメントの正しい選び方』をご覧ください。


≪アルギニンが認知症を改善する例≫

●一酸化窒素は学習と記憶に関与します
  ラットに、一酸化窒素生成阻害剤(L−NA、L−NAME)を投与し、その学習機能(迷路などによる試験)に対する影響を調べたところ、L−NAMEの投与によって学習機能が障害されました。しかし、すでに習得した学習については影響はありませんでした。L−NAMEの投与によって脳内の一酸化窒素の生成は有意に低下していました。一方、L−NAMEと同時にアルギニンを投与すると、学習機能の障害と一酸化窒素の低下は起こりませんでした。老齢ラット(30ヶ月齢)では学習機能が若いラット(3ヶ月齢)にくらべ低下していました。老齢ラットの脳では一酸化窒素の生成量が少なくなることが学習機能の低下に関係しているのではないかと考えられました(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1993; 90: 9191-9194; Br. J. Pharmacol., 1995; 115: 852-858; J. Pharmacol. Exp. Ther., 1996; 276: 460-466; Neuroscience, 1996; 74: 365-374; Behav. Brain Res., 1997; 83: 153-158)。

●タンパク糖化はアルツハイマー病の原因と考えられます
  アルツハイマー病の患者の脳には、神経原繊維変化*1と老人斑(アミロイドプラーク)*2がみられ、これがアルツハイマー病の発症と進展に中心的な役割を果たしているのではないかと考えられています。アミロイドプラークは、主に凝集(重合)したアミロイドβタンパク質が沈着したものです。

  Vitekらは、アルツハイマー病の患者の脳のアミロイドプラークには、終末糖化産物(AGE)が、同年齢の健康な人の脳のアミロイドプラークよりも約3倍多く含まれていることを見いだしました。また、アミロイドβタンパク質の凝集速度は、ブドウ糖の添加、または糖化(AGE化)したアミロイドβタンパク質の添加によって著しく促進されました。ブドウ糖によるアミロイドβタンパク質の凝集の促進は、タンパク糖化抑制剤のアミノグアニジンの添加によって完全に抑制されました(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1994; 91: 4766-4770)。

  Smithらは、アルツハイマー病の患者の脳の神経原繊維変化とアミロイドプラークに、終末糖化産物(AGE)が含まれていることをみいだしました。一方、その脳組織で異常が見られない部分では終末糖化産物(AGE)はほとんどみられませんでした(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1994; 91: 5710-5714)。

  アミロイドβタンパク質は、神経細胞に作用し活性酸素を発生し、また、ミクログリア*3を活性化し、神経細胞に障害を与えます。Yanらは、アミロイドβタンパク質のこれらの作用は、神経細胞の表面にあるAGE受容体(終末糖化産物に対する受容体)にアミロイドβタンパク質が結合することで起こることを示しました(Nature, 1996; 382: 685-691; Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1997; 94: 5296-5301)。

*1 神経原繊維変化:アルツハイマー病患者の、大脳の神経細胞の中にみられる繊維状のものをいいます。正常な老人の脳でも、海馬(記憶に関係するといわれています)近辺に限ってみられることが多いですが、アルツハイマー病では大脳新皮質にまでみられます。その構造は、平行に走る多数の枝分かれしない繊維からできています。

*2 老人斑(アミロイドプラーク):主にアミロイドというタンパク質性の繊維が重合したものが脳の神経細胞の外に沈着したものです。アミロイドの主要成分はアミロイドβタンパク質で、39〜43個のアミノ酸が結合したペプチドです。

*3 ミクログリア:小膠細胞ともよばれます。中枢神経(脳)に認められる細胞で、血液細胞のマクロファージと酷似しています。つまり脳のマクロファージといえます。その働きはマクロファージと同様に、脳内に生じた異物を除去したり、免疫反応にかかわったり、中枢神経の損傷修復などに関与します。

●アルギニンはタンパク糖化を強力に抑制します。
  データは、糖尿病合併症のサブページに記載してあります。ご参照下さい。 

●アルギニンは認知症患者の知能機能および一般症状を改善しました。
  Ohtsukaら(北海道大学医学部)は、一酸化窒素が学習と記憶の神経伝達物質として機能していること、組織の一酸化窒素とアルギニン濃度が加齢(老化)によって減少すること、学習や記憶力の低下などの老化性障害は活性酸素の生成増加が原因かもしれないこと、血液中の過酸化脂質(脂質に活性酸素が反応して生成)の濃度はアルギニン投与によって減少することなどから、アルギニンが老人の学習や記憶の改善に有用ではないかと考えました。
  認知症の患者(脳血管性疾患)16人(平均年齢79歳)は、アルギニン(1日1.6g)を3ヶ月間経口投与されました。患者は、アルギニン投与前、投与開始3ヵ月後および6ヵ月後に知能の機能をみるために、長谷川式痴呆スケール(改訂版)を用いて検査されました。満点は30点で、20点未満が認知症と考えられます。血液中(血清中)の過酸化脂質の濃度も測定されました。その結果、アルギニン投与開始3ヵ月後の患者の血清中の過酸化脂質の濃度は有意に低下しました。投与終了3ヶ月後にはその濃度は増加しました。アルギニン投与後の患者全員の知能の機能は改善しました(平均スコアーは16から23へ有意に改善)。しかし、投与終了3ヵ月後にはスコアーは元に戻りました(平均スコアーは17)。一般症状の改善としては、アルギニン投与によって患者の表情はより豊かになり、反応もより早くなりました。副作用は特に認められませんでした。これらの知能機能改善作用は、アルギニン投与により一酸化窒素の生成が増加し、学習や記憶が促進されたこと、脳の血流の増加および活性酸素が減少したことによると考えられました(Am. J. Med., 2000; 108: 439)。


 2.お知らせ

【ホームページ責任者】

古賀 弘
Eメール:kogahrs555@nifty.com

健康コンサルタント
薬学博士
日本抗加齢医学会正会員

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【参考図書】

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